五家荘テント泊 – 2日目

 飲んで気持ちが良くなると周囲にいたの獣たちの気配も次第に感じなくなり、いつのまにかうたた寝をしてしまいました。

 小雨が降りだしたらしく椅子の上で目を覚ますと2時間も経過。風もやや出てきており、飛び起きて道具を片付けました。濡れても良いものは、そのままにして放置しテントに潜り込み、天井にランタンを吊るします。やがて雨が強くなり、テントのフライシートをたたきます。
 たった布一枚のテントだけれども、外とは桁違いに心地よく、有難味を感じます。この瞬間がテント泊の魅力だと思います。シュラフに潜り込み、次に気づいたのは翌朝九時を回っていました。

130715_00体調不良
 酷い頭痛で目覚めました。風邪の症状か二日酔いか・・。気持ちの悪さに途中何度か目を覚ましたので、後者であることに違いはありません。雨は止んでおり、晴れ間がのぞいているようです。釣りをするとついつい飲み過ぎてしまいます。

「こりゃどうにもならん」とアスピリンを口に含み再び眠りにつきます。いい気になり過ぎました。

 1時間ほど眠ったあと、少し気分が良くなったので五家荘から五勇山、国見岳の登山口をめざし車を走らせることにしました。というのは、日本杉峠の上にある店の主人の話によると「五勇山の渓には、昔はこんなに大きなマダラがウヨウヨ泳ぎよった、今だってあそこは別格やもんねぇー」と言っていたんです、だからどんな渓か見ておきたかったのです。



 五家荘の林道からさらに別れた細い道を発見。地図の通りひたすら走ります。むろん路面は凸凹で路面が頭の芯に響きます。Uターンもできない狭く走っても走っても続く林道。携帯電話は入らず「ひっとして頭の血管切れとったらどうしよう・・」と思うと少し心細ささえ感じていました。
 途中走りながら、ところどころに釣具メーカーのステッカーを貼った釣りキチのクルマを発見。はるか下に米粒ほどに小さく見える渓まで、雑木林の中、危険をおかし急斜面を下る人がいました。

撤退 
 やっとの思いで到着した五勇山国見岳登山口に、なんとに熟年の登山客が数十人ピカピカの登山服着て準備体操をしているではありませんか。私の知らない世界をそこらで発見しました。すこし安心したので登山道入り口そばにクルマを停めて再び仮眠。もう釣りをする気分にはなりません。
「今日はやめようかな」とやる気ない自分。もう酒を飲む気にもなれません。

「釣り竿とは一方の端に釣り針を、他方の端に、馬鹿者をつけた棒である」。イギリスの格言です。
 今回はちびっこヤマメ数匹に遊んでもらい、初の五家荘釣行は玉砕、自滅しました。しばらく仮眠した後、二泊三日の釣りを切り上げ帰路につきました。

 

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