大切にしまっておいた釣竿。気が付くと100本近くもたまっていました。
幼少の頃、親父にザリガニ釣りに連れて行ってもらって以来釣りに没頭し増え続けた釣り竿。遊びに行く前のワクワク感は当時も今も同じ。いつも片手には釣竿があります。
遂には釣りをなりわいとし北は北海道から南は沖縄、いろんな国の海や河川、船から離島、防波堤から砂浜まで走り回りました。他にもいろんな趣味を楽しんできましたが、釣りは別格で私のライフワークです。
ひとたび釣りに行くとなったら大変でアレがないコレがないと探し回っても見つけられずとりあえず購入。道具はますます巨大化し部屋の居住スペースをはるかに上回る量になっていきました。
釣り師にとって竿は”武士の刀”であり、他の道具にはない特別な思いがあります。
これまで毎日書斎の視界の中にある釣竿を「コイツもいつかまた使うこともあるだろう」と思っていましたが、少し心の変化が生じてきました。
この世に生を受け半世紀を過ぎたせいか「この竿はもう使うことはないな」と思うようになってきたんです。
ヤフオクを見ると「釣竿まとめて処分・・」釣り師じゃない人からそんな出品が時々あります。
「自分だってこの部屋に帰れない日が突然やってくるかも知れないぞ」「そうなってからじゃ遅い、せっかくのビンテージ物の竿がやすやすと二束三文で引き取られでたまるか!」。
かくして先のヤフオクで里親探しをすることになった次第です。
この竿は「極寒の磯で徹夜でデカイのオナガグレ釣ったなー」とか「東北の磯で雪の中クロダイやった時は指先が凍りついたな」とか釣竿一本毎にいろんな思い出が詰まっています。
それをキッカケに失われた記憶も蘇ってくるんで思い出の引き出しにもなってるんです。
とりわけ自慢できるようなものはありませんが比較的新しいものを中心に出品したところあっという間にほとんどのロッドに入札があり、定価に近い金額で販売できたものもありました。
そして本日、愛竿達は静かに旅立ちました。
嬉しい反面、大切にしていたものが私の所有物ではなくなると、記憶が共に失われていくようで少しネガティブになりましたが、これからも新しい釣りをやっていくから全然後悔はありません。
そうだ、”終活”の目的はもう一つあることを忘れてました。臨時収入を使って次の遊び道具を購入します。