寒グレ不発

 半年ぶりに磯釣りのお誘い。この時期最も脂が乗って美味しいグレ食べたくて二つ返事で引き受けました。

 目的地は大分県南の深島。最近はネコの島として知られるようになりましたが、我々釣りバカは昔からグレの島と思っています。

 深島はこれまで10回ほど釣行しましたが、足場が悪いところばかりだったので超苦手な場所。

 私ゃクーラーに「よっこらしょ」と鎮座してビール飲みながら釣りするスタイルなんですが、相棒が釣る気まんまんなんでお付き合いしました。

 北九州をマイクロバスで出発し、佐伯市内の釣具店には二時間半後に到着。20代の頃は一人で蒲江の磯に通って徹夜で国道を走りましたが、東九州道が出来て1時間半は短縮されすごく楽になったものです。

 眠い目を擦りながらフラフラと歩きながら先着したトラックの荷台にエサを入れようとしたところアクシデント発生。スッーと身体が傾きトラック後部に激突。額付近にジーンと痺れるような感覚と左手甲に強い痛みがあり、その場に蹲りました。確かにバスの中で酒は飲みましたがに酔ってフラついたわけじゃありません。側溝のフタの隙間が15cmほど空いていまして、左足がその中に吸い込まれたんです。トラックの陰で暗くてまったく見えてませんでした・・。

 「ワァーどうしたんですか?」と周囲の声。抑えた手が濡れてツルツルするのでそれが血であることがわかりました。額よりも手の甲の方が痛みがあったのですがとりあえず動くので骨は大丈夫。みるみる腫れてきましたがなんとか釣りはできそうです。擦り傷が残り海水やエサに触れて嫌な感じ。自撮りしてみましたが誰もそのような写真を見たくないなと削除。

 午前1時出船。30分ほどで深島に到着。先客から順番に瀬上がりします。

 シビウドの横に瀬上がり。案の定足場が最悪。お手伝い頂き、荷物を傾斜した磯に置いていきます。釣りになりそうもないので瀬変えをお願いしようと携帯電話を見ると”圏外”。人口20人の島なのでdocomo さんも採算が合わないんでしょうか。しゃあないです。

 ここでの夜釣りは危険なので諦めて相棒に譲って私は高台に上がり夜明けを待ちます。時間があるのでスマホでyou-tubeでもと携帯を開くと当然”圏外”。トホホ。

 次第に気温が下がり寒さがこみ上げてきます。横になると岩が体温を奪います。ダウンのインナーを着込み、ホッカイロを首筋、腰、腹の三箇所に貼り、ウイスキースキットルを飲みながらじっとしていると少し暖かくなりましたが、座ったままウトウトすると身体が冷え込み朝方は震えあがりました。長い長い修行のような時間を過ぎようやく夜明けを迎えました。

 明るくなると目の前には絶景が広がっていてこれまでの暗く、危なく、寒いマイナーなムードが一変しました。



 高台から下に降り釣りの準備開始。荷物を置く場所がないので高台に置き釣り座との往復。ハーハーゼーゼー、膝が笑ってモチベーションのレベルが低下。

 



 釣り座はなんとか2人分ありますが、一箇所は前に傾斜したツルッとした岩なのでスパイクが効きません。傾斜した釣り座にバッカンを置き、少し釣りしてみましたがあまりに滑るので10分でグレのウキ釣りは断念。

 相棒の右隣の50㎝ほどの隙間にクーラーを置き、その先の尖った岩からルアーを投げてベニハタを狙います。

 立っているだけで疲れる釣り場から延々とキャストを繰り返しますが反応ありません。

 こうなればもうこれしかありません。ハタ類の好物のイカの登場。

 するといきなりドーンときまして3号のリーダーが切断されました。ありゃかなり大きかったでしょう、目が覚める一瞬の結末でした。

 



 しばらくして次のアタリ。難なく上がってきたのは1kgほどのきれいなベニハタ。

 これまでは釣れなかった種ですが、海水温上昇とともに近年釣れるようになりました。釣り師としては美味しい魚なので大歓迎。刺身にするか鍋にしようかな。

 サイズはイマひとつですが祝杯。

 その後アラカブ(カサゴ)と大きなブダイが釣れましたがクーラーの中が昼食の具材や飲み物で一杯なのでお家にお帰り頂いて今日の釣りは終了。

 高台に上がり辛ラーメン鍋を作り相棒と綺麗な豊後水道を望みながらいただきました。

 魚はあまり釣れませんでしたがいつものこと。不真面目なんですから仕方ないです。それよりもこんな絶景を望みながらのインスタントラーメンが相当に美味い。

 怪我もたいしたことなさそうだし、今日は楽しい一日でした。

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