クリーデンスがやってきた

 長い釣り人生とアウトドア生活。あのクルーザーの中での生活以来、いつかはキャンピングカーを夢見て展示会にせっせと通い続け20年が経過しました。

キャンピングカーバンコンタイプ
 最初は、デラックスで洒落た室内に空調完備。満ち足りた時間を過ごすための豪華な装備にあこがれたものでした。それなりに魅力はあるクルマばかりだけど、だんだん目が肥えてくると、どうしても自分が欲しいレイアウトを持つ車がなく、新車を見ても感動することが少なくなっていました。
 今年も、あるメーカーからの招待状が届いたので、家内と熊本グランメッセまで足を運びました。最近流行の軽キャンピングカーを中心に多くの新車の展示があり、それなりに興味深い車種もありました。

クリーデンス 後ろから見たら下駄を履いているようなクルマや生活臭を感じるデザインのクルマははじめから想定しておりません。
 そんな中、目の前にひときわ変わったクルマが目に飛び込んできました。はじめはそんな印象のそのクルマは、「クリーデンス」という名で、他のクルマとはぜんぜん違うオーラを発しておりました。料理好きにはたまらないキッチンスペース、豊富なレイアウト、どれもが完璧であり、大きく期待を超えたものでした。
 キャンピングカーというより秘密基地、山小屋といった方が似合うもので、アウトドア派の習性というか、そんな匂いがします。



クリーデンス そこに、志村けんのような風情のおじさんが立っていました。ホワイトの社長、池田健一氏です。社交辞令ではなく、思ったことが正直に口に出ました。
「いいクルマですね!」
 そのおじさんは目も合わさないでこう言い放ちました。

「見てもいいけど、別に買わんでもいいけんね」
 さらに追い打ちをかけてこう言いきりました。
「気の合う人にしか売らんよ!」

 売らないと言われると不思議なもので興味がわいてきます。あとは何を話しているのか覚えていませんが、気づいたらすっかり、池田氏の術中というか話術にはまって、お買い上げモードになっていたのでした。このところキャンピングカーショーに来ても1時間足らずで帰っていたのに、池田社長すごい営業力です。

 あとは家内を説得するのみでした。帰路、高速道路を走りながら、なんと説得するか・・・。クリーデンスが私の小さな脳みそを支配し、いっぱいいっぱいで無口になっていた私に、家内は「買っていいよ」と先に声をかけてくれました。

 スポーツカー歴30年から、いきなりファミリーカーの王道に乗り換えることとなりました。かくして2015年夏、突如クリーデンスが我が家にやってくることになったのです。

クリーデンス クルマが我が家にやってきた時の感動から既に4ヶ月が経過し、車中泊、車中食生活がスタートしています。人間、環境に慣れると有難味を忘れるというが決してそんなことはなく、次はどこに旅に出かけようかなと、夢を見させてくれます。「クリーデンス」とは、池田氏の好きなアメリカのロックバンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルからとった名前だそうです。
 このクルマ、乗り潰したらまた同じものを買いたいくらいに思っています。
 しかし、その前にクルマより先に池田さんが逝くか私が逝くか、それが問題だ・・。
 カスタムプロホワイトと家内に心から感謝。

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