記憶の旅

 景色の写真撮ったり知らない人の写真撮ったりしてなにが楽しいんだろう?
 昔、風景写真撮影が好きで、モノクロに飽き足らずエクタクロームのE-6現像までやっていた筋金入りのオタクの私でさえ、そう思うことがあります。
 当時リバーサルフィルムの現像は高額でした。フィルム代+現像代で一回の撮影に10本撮影すると10000円以上にもなるうえ、プリントはさらに高額だったのでアマチュアカメラマンの端くれの私には大きな経済的負担がともないました。

NewF-1 温度管理のために風呂場に湯を張って現像、物置を改良した暗室で汗びっしょりになりながらの焼き付け作業。今ではとても懐かしく感じます。

 当時アルバイトをしながら大枚を叩いて買った自慢のカメラ CANON NewF-1。今じゃれっきとした骨董品です。

 当時デジタルスチルカメラの登場が話題になっていましたが、専門家の多くは性能限界説を唱え、銀塩カメラは不動と言われていましたが、その読みは見事に外れたようです。

161122_000 デジタルスチルカメラは驚くべき進化を遂げ、小さなメモリーカード1枚あれば数千枚もの写真が撮れ、現場で撮影結果を確認できるようになりました。気に入らなきゃ消せる。プリントもボタン一つで必要なだけ自宅でプリント。当時の銀塩カメラが時代のカメラマンからすると、魔法のようなカメラが当時より安価で手に入ります。
 いっぽうカメラのデザインに目を向けると、かれこれ50年近くも経つのに大きなデザインの違いが感じられません。カメラはいつも手中にあり、これほど人の体や動きと一体化するものは少ないでしょう。
 人間工学の結晶と表現するのに相応しい、完成された「モノ」として唯一無比の機能美を持っていると思います。

タデ原湿原 その時その空間に自分がいた証明、見てきた軌跡を残す記念写真は、現場で見てきたものと後で映ったものを比較するとがっかりすることが少なくありません。
 写真の楽しさはまさにその「ギャップ」であり、旅の思い出や風景を写し取るテクニックを知ると見違えるように良い写真が撮れるようになり、現物よりもさらに美しく撮影することもできます。

 ブログやフェイスブック、ラインをしている人やインスタグラムへの投稿をする人は是非写真の撮り方の基礎を勉強すると良いと思います。将来本格的に写真を楽しむのであれば「ピクスタ」や「フォトギャラリー」への投稿販売も簡単にできます。

 人生折り返し地点を過ぎ、それなりに苦労が積みあがると、立ち止まって過去をふりかえることが楽しくなってくるものです。

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