変人の遊び

 フライフィッシングを教えていただいた師匠の花田さんがこんなことを言います。

「いろんな趣味をやってきて、一番変わっているのは、フライフィッシングやってる奴らだ」



花田師匠 そんな花田師匠もコテコテのフライフィッシャーで、日本のフライフィッシング界の第一人者です。(写真:花田師匠)

 いわずもがな”釣り”は、旅であり、スポーツであり、趣味・道楽でもあり、そして生きるための手段でもあり、個人によって目的は異なります。

 石器時代から続いている釣りは、釣り方のコツや伝統はあっても、武道のようにこれといった流派や統一した資格があるわけでもなく、多くの場合は我流です。しかしながら釣り師という者はそれなりに我流の哲学?を持っています。

山女魚(ヤマメ) その中でもフライフィッシングを楽しむ人はプライドが高く、共通したポリシーを持っています。狙う魚は主にヤマメ、アマゴ、イワナ、マスなど、アブラびれのある魚たちです。
 彼らの考え方の一つにキャッチアンドリリースというものがあります。これは、釣りを一つのゲームとしてとらえ、釣った魚は逃がすという行為のことです。この考え方は、イギリスで発祥しアメリカで進化したフライフィッシングの伝統でもありまして、渓に入ると一種独特の衣服を身にまとっていますので一目でそれとわかります。

「奴らは釣った魚(ヤマメ、アマゴやイワナ)はリリースしろ!なんて、平気で言うクセに、家じゃアジの開き食ってんだよ、鳥の羽をムシってせっせと毛バリ作ってんだから、笑っちゃうよ!」(花田師匠)

 釣り人同士のたわいもない話に聞こえますが、実は本人たちの中ではけっこう火花を散らすデリケートな話題の一つなんです。それが良いか悪いかはここの趣旨ではないのでスルーします。



テンカラ フライフィッシングは1960年ごろから日本に伝わってきましたが、日本もテンカラといって同じような釣り方がありました。文献に残されているのは、ともに16世紀ごろからしかありませんが、一説には紀元前から存在していたとされます。

 このような虫に似せた毛バリを作り、ヤマメやイワナを狙います。一般的にはその時期に渓にいる虫を似せたフライをデザインすると良く釣れるとされます。こちらの毛バリがテンカラと呼れるもので、水面直下を流して釣りをします。

フライ フライフィッシャーは、これらの毛バリを自分流にアレンジして、ゴリゴリ巻くのが楽しみの一つなんです。
 フライフィッシングは、最も難しい釣りとされ、最初はなかなか仕掛けが前に飛んでくれません。多くの方はここで挫折するので、日本のフライフィッシング人口はわずか1%未満です。

ヤマメ「今日は何を釣ってるんですか?」
 私は3年間、人目をはばかることなく、自宅の前の道路で何度も竿を振り回して練習した甲斐があって、ご覧の通りいつも半日で10匹ほどの釣果が出るようになりました。
 野宿の時は立派な食材になってくれます。ランニングコストがかからず、エサも不要。
 アウトドア派は覚えておいて損はない変わり者の遊びの一つです!

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