キャンピングカーはクルマというより建売住宅。
キャンピングカーショーを訪れるとシルバー世代のご夫婦が目立ちます。子育てを終わり、会社勤めも一区切りしたきっかけに、キャンピングカーでも購入して日本一周の旅をしたいと思っている人が多いそうです。
テント泊が長い私にとっても必然でした。
以前「定年後に世界一周旅行するんだ」といつも楽しみにしていた上司が、その日を待つことなく急逝されたのをきっかけに「元気なうちに悔いのないように生きたい・・」と、そう思うようになりました。
キャンピングカーは買うのが目標であって、目的は買ってからの「旅」なんですから早いほうが決まっています。「人生は二・・度ありません」欲しいと思ったら少々無理してもさっさと買って遊びましょう。
後いのないクルマ選びとは
さて、購入の決心がついたら次のステップです。決して安くない買い物ですから、どんなクルマが必要なのか自問自答することからスタートします。
キャンピングカーショーに行くと、充実装備満載のスペシャリティカーが目に飛び込んできます。渡されたカタログには美しい野原にテーブルを広げてパーティーを楽しむ家族の姿。そこにはもうじき対面する孫の姿もちゃんとあります。おもわず将来の姿を重ね感情移入してしまいます。ある意味洗脳です。私はあまりこの手のPRをしてるところは好きではありません。屋外でハードロックでもかけてビール飲んでいる姿があったなら高点なのに・・。
目的をはっきりさせる
十把一絡げにキャンピングカーといってもさまざま。自動車としての機能、性能はここでは際外し
て考えてみます。
キャンピングカーを購入する際に、「どのように使うか」を考えると自ずと大きさが決まってきます。ここがはっきりしないと後悔することになります。私の場合は「2人旅」「アウトドア」「趣味の魚釣り」といった使い方ですからバンコンにしました。実際に使ってみても、2人旅には大きすぎるほどゆったりとしたスペースがあります。私のように趣味で使う機会が多い方なら軽キャンパーも侮れません。
必要な設備を決める
キャンピングカーと一般住宅の設計で大きな違いは「限られた居住空間」にあります。
「ないよりはあった方がいい」的な発想ですと、オプション満載で貴重な居住スペースが失われる羽目になるか、目的に合っていない大きさのクルマを選ぶことになります。さらに予算も青天井でいいことなし。良いのはカーショップだけです。言い換えると悔いのないキャンピングカー選びは切り捨てることから始まると思います。特に次のような設備は使わない時間も場所を占領しますので「ない方がいい」ことも考慮しましょう。
・シャワールーム
クルマにとってシャワー設備を設ける際、設置場所、防水、ボイラーの設置、貯水量、の問題があり、あまり多くの車種には採用されておりません。特にバンコンは限られた車種だけです。使わない人も多いと聞きますがマリンスポーツを楽しむ方は欲しいでしょう。トイレルームと兼用とした場合もありますので好みで選びましょう。魚釣りが好きな私が最後までためらった設備がこれでしたが断念しました。使う機会がどれくらいあるのかを考えて決断しましょう。
・常設ベッド
常設ベッドがあると「これぞキャンピングカー」ってイメージになります。いつでも眠たい時に眠れる、家族でも別の時間を楽しめる、就寝人数が多いといったメリットがあるようですが、いっぽう日中寝ていない時間はいつも無駄なスペースになりがちです。使うときに組み立てるのでしたら、日中はもっと広々とした生活空間が得られます。本当に常設である必要があるのか考えてみましょう。
・トイレルーム
「絶対いる」という人と「いらない」という人に分かれるようです。私達は2人旅ですし汚物の処理が面倒になるので今は物置の奥です。大家族となると話は別でしょう。シャワールームと兼用する場合が多いようです。
・ギャレー
現地でグルメを楽しむ方の多くは使わないようです。コーヒーを入れる程度の使い方ならコンパクトなカセットガスコンロを持ち込めば8ナンバーである必要もありません。時々インスタント食品を食べる人でしたら小さな流しを備えたものにすると良いでしょう。クルマで料理を楽しむ方や長期キャラバンをする方は、本格的なギャレーを備えたモデルを選択しましょう。クリーデンスはギャレーが最も充実したタイプです。
ビルダー・車種を選ぶ
ビルダーによって、デザインや使われているパーツが異なりますが、大きなレイアウトはだいたい似たものが多く見られます。ポイントは注文時にカスタマイズできるか、オプションに対応できるかといったところです。
クルマを決めるまでいろいろ考え、悩むのも楽しみのひとつ。見た目だけじゃなくて、候補のモデルに対し比較用のマトリックスを付けてみると絞り込みがしやすくなります。使い方は人それぞれで自分の使い方は他人にはわかりませんから自分が決めるしかありません。
以上がはっきりしたら、それに見合ったレイアウトを採用した車種のビルダーに相談したらよいと思います。以上恣意ですが購入の一助になることを願っています。