危険予知

 九州にいる私は、渓流釣りの最中熊に出くわすことはありませんが、岐阜に遠征するときはいつもビクビクしています。 山の中は危険がいっぱい。マムシは一日に何度も見ることがありますが、間違えて踏まない限り噛まれる可能性は低く殆ど気にはしていません。過去に噛まれたことがある人はアナフィラキシーショックを起こすことがあるので注意が必要です。その意味ではスズメバチの方がやっかいな生物です。里川で小さな橋の下などに巣をつくっていることが多く、他の生物と異なって近くに寄ると危険です。
 最近の話題といえばマダニの方が気になります。春~秋はマダニによるウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」により命を落とす方が出ていますから、アウトドアを楽しむ人は心配の種。それも藪の中だけじゃなくて庭先でもマダニはいるのだから注意が必要です。
 マダニに咬まれないようにするためには、長袖長ズボンを履くのは言うに及びませんが、マダニの吸血は今に始まったわけじゃなくずっと昔からのこと。昨年農作業のご老人から言われたことばで「マダニは下から上に登る習性があるから裾は靴下に入れる、シャツはズボンに入れるのがわしらの常識じゃ」だそうな。そして暗いうちに活動するからその時間は注意しろって話でした。これまでに220件程度の発症例で死亡率が25%程度っていうから、宝くじ程度の確率でしょうが、藪の中で活動する人口を考えると侮るなかれ。
 しかし、渓流釣りで最も怖いのは、小動物類よりも鉄砲水、滑落、落石です。上流で降った水が流れてきて一気に水嵩が増すので、予測しにくく中州に逃げ遅れた人が取り残されたり、落下してきた岩で怪我をするなど良く聞く話です。

 足をかけた石がグラついて転倒など、年に何度も経験しますからそのうち後頭部を打ちつけて冷たくなるんじゃないかと心配することもあります。今年も滑って全身ずぶ濡れになったり、背中から落ちてしばらく動けなかったこともあり「携帯電話も入らない渓の中で足を骨折したら何日も発見されないだろうな」なんて良く考えてしまいます。
 ある夏の暑い日、急峻な渓を登った際、まったく喉も乾かず汗も出ない状況が続き寒さを感じました。その後渓を登りつめたところで両足が痙攣して座り込んだ記憶があります。自分の体じゃないような感覚になって、今考えると熱中症だったのではないかとゾッとします。

 海釣りに行った際は、大型の消波ブロックに落ち込んで病院に運ばれたことがありました。自信がないのに跳んで渡ろうとしたことが原因でした。約2m下に背中から落ち、消波ブロックの角で背骨をわずか5cm横に外して打ち付けました。あまりの苦しさにしばらく呼吸ができず病院に運ばれましたが肋骨の骨折で済みました。背骨の上だったら間違いなく半身不随だったとのことでした。周辺の消波ブロックでは不幸にして亡くなられた方もたくさんいますし、これまで大過なく遊んでこられて幸運だったと思います。

 アウトドアの遊びは、それなりにリスクを伴います。危険予知とは人間が生まれながらにして備わった恐怖心からだけではなく、何度か危険な目に遭遇することで備わってくるものです。
 日常の生活で、自分の体力は自分が一番良く知っているから「少しでも躊躇したらやるな」ということ。ある程度の装備が必要な遊びに関してはリスクも高く過去の経験値だけでは対応が困難。遭遇してからでは遅すぎます。慣れた人に連れられ、知識として危険を予測することでその先に潜む事故や災害を未然に防ぐ術を身につけることが大切と思います。
 動物や自然より怖いのは「過信」なのかも知れません。

 

危険予知」への2件のフィードバック

  1. いゃ~ほんとですよ… 岐阜に住む私は熊、猪、カモシカ等大型野生動物との接近遭遇を体験しましたが、血が氷りましたよ~細心の注意と危険予知は大切ですね!

    • 怖いけど岐阜は渓流釣り師にとって天国に一番近い県ですよ。
      九州じゃヤマメしか狙えないけれども、イワナも釣れるってだけで楽しさが倍増します。
      しばらく行ってないけど今年は熊鈴もって岐阜に遠征したいと思っています!

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