今年に入り3回目のフライフィッシング。
一度目は大分県飯田高原の鳴子川でボーズ。二回目は同じ川で良型のヤマメが姿を見せてくれました。
フライフィッシングは春、羽虫がハッチ(虫が飛ぶ)している頃が最盛期で夏になると昆虫類が主食となり、なかなかフライに興味を示してくれなくなります。
今日は雨降り後だし天気も良い。今年最後のチャンスかなと思い、ぶらっと大分県の山浦川に行ってきました。
この川はあまり大きなヤマメはいませんし、良く釣れる川というわけではありませんが、渓相(雰囲気)が好きなのでよく遊ぶ川です。
外気は25度もあり暑いのでウエーディングシューズにスパッツのみの軽装。
夏になると顔の周りに小さな虫がまとわり付いてきます。「バカ虫」と呼ばれる虫たちですが、正体はショウジョウバエやユスリカです。別に刺されるわけじゃないのですが、うっとうしいので蚊取り線香が必需。またマダニやブユ、アブ、蚊などの対策に虫よけスプレーもしておきます。
一度川に入ると3時間は歩き、途中脱出することができませんので、飲み物を携帯。
フライフィッシングはヤマメが好む虫を模して作った「フライ」で釣るのでエサは用いません。水の上にフライを浮かべて釣る「ドライフライ」と呼ばれるタイプで先般ゴリゴリと作ったやつです。
人によっては、というか大部分の人から「キモイ」と言われます。
渓流公園から入渓。水はとても澄んでいて川底も良く見えるのですがヤマメの姿はなかなか見つけることはできません。
水温は17度ほどでひんやり冷たいので、一気に汗が引いて気持ちいい!
カワトンボのオス。清流でよく見かけるトンボです。
さっそく小さなヤマメがでてきました。
清流の女王と呼ばれるヤマメ。魚体にはパーマークと呼ばれる独特の模様があります。
寿命は3年。日本固有種の魚でサケ科。体調30cmほどにしか成長しませんが、中には海に下る者がいて、また川に戻ってきたときは50cmを超える大きさになっています。パーマークは消えて銀色になり「サクラマス」と呼ばれます。
大分県の山浦川は玖珠川を経由し筑後川に合流します。つまり日本海側に注ぐ川はこのヤマメが主体となります。
いっぽう近くに流れる大分川は太平洋側に注ぐ川。太平洋側で釣れるヤマメは、体に赤い斑点があり「アマゴ」と呼ばれて区別されます。
だんだんと渓が険しくなってきます。
こんな木の陰なんかに隠れているのですから、餌釣りじゃ竿が長くて狙えません。フライフィッシングのトリックキャストの出番です。
私の師匠の花田氏はそんなポイントで大道芸のようなキャスティングをして見せてくれます。フライキャスティングはこんな難しい場所で正確にキャスティングが決められるか否か。出来る人はたくさん魚が釣れるんです。キャスティングの技術=釣果ってことです。
やがて川は藪沢に変わります。萱のブッシュをかきわけて前進します。キャスティングが難しくフライをひっかけないようにしないと釣りになりません。
この奥が絶好のポイントで、ほぼ毎回ヤマメが釣れます。ヘビもよく見かけます。渓では見慣れて友達みたいなもんですが、中には毒蛇もいますから不用意に藪に手足を突っ込まないことです。
この位置からキャスト!先の岩の左横にフライをそっと浮かべました。
ゲゲッ。お前じゃない!
こいつは「アブラハヤ」と呼ばれる魚。ヤマメは警戒心が強いのでこれで万事休す。彼には悪いが実にブサイクな奴で体はぬるっとした肌触り。渓流でよく釣れる魚でヤマメを釣るための税金みたいなもんです。
最後のポイント。ここはヤマメの楽園。過去たくさんのヤマメが釣れた場所なんです。頭上に張り出した木の枝。ゴルフでいうバンカーのようなもの。
あと50cm近づくと確実に魚は逃げますからここからそっとキャスト!
よしよし、ちびっこヤマメがたくさん釣れました。また遊びましょうや。
この先にはクレソンが群生している場所がありますが、初夏になり花が咲いて食べごろではなくなってると思いますのでパス。
3時間良い運動になりました。日が暮れるまで4時間あり、この先にもたくさんの釣り場がありますが、もう十分楽しみましたから「もうここらでよか」。帰って大河ドラマでも見ましょ。この一杯で今日の釣りは締めとしました。
往復6時間もかけてモノ好きだと自覚しております。